口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる感染症です。
単純ヘルペスウイルスはありふれたウイルスで、成⼈の半数以上の方が、子どものころにすでに感染していると言われています。
感染の際、多くの場合、症状はありません。免疫力が落ちた時にウイルスが活動しはじめ、皮膚表面にまで広がると、口唇ヘルペスの症状が出ます。
口唇ヘルペスの症状が治まっても、ウイルスは生涯にわたって体の中に潜伏します。
免疫力が低下すると、再活性化したウイルスが神経を伝わって皮膚に到達し、症状がでます。
口唇ヘルペスの市販薬はすべて塗り薬ですが、ウイルスは体の中で増えるので皮膚科では飲み薬での治療が一般的です。
チクチク・ピリピリという違和感がでてきた時点でウイルスは増え始めています。
できるだけ早く薬を使い始めてウイルスを増やさないようにすることで水ぶくれなどの症状を軽減したり、症状が出ずにすむ場合もあるので、内服治療をすることで治るまでの期間を短くすることができます。
症状がでてから受診する従来の治療では、仕事や休診日などでタイミングよく通院できない方もいるため、お薬を事前に備えておけるPIT(Patient Initiated Therapy)が広がっています。
PITの方法は以下の2通りの方法があります。
ファムシクロビルのPITは、1年におよそ3回以上の再発を繰り返す方が適応でしたが、アメナメビルのPITは再発する方であれば回数は問われていません。
それ以外にもアメナメビルのPITの方が優れている点として、1回の内服で済む、内服する錠数は腎機能の影響を受けないという利点があります。